ランドナーの語源はrandonneur、フランス語です。発音は「ランドヌー(ル)」ですが、ほぼ英語化して「ランドナー」という発音が国際化しているようです。
フランス語にはランドネ(randonnee)という言葉もあって、「遠出、遠乗り」(クラウン仏和・三省堂)という意味なのです。日本に初めてランドナーが輸入されたのは1950年代、そして1970年代にはツーリング用の自転車を広く「ランドナー」と呼ぶようになりました。
ドロップハンドル、26インチホイールに泥除け、キャリアなどを装備した小旅行用自転車を我々はランドナーと呼んできました。が、語源からすれば「ランドナー」の意味するところは部品構成ではなく、用途。
ルネ・エルスやアレックス・サンジェなど、フランスの名だたるオーダーメード工房では、グランツーリスムやグローブトロッターなど、用途に応じて細分化された呼び名が使われていました。もちろん、用途に応じてタイヤの太さやキャリアの大きさなどを変更し、それぞれに作られていたのです。
日本でもこれらの自転車は、ランドナーやツーリング車、あるいはツアー車などさまざまな呼称が与えられてきました。サイクリング車、でも正解だと思います。当店では「ツーリング車」と呼ぶことにします。誤解を生まないように、用途をそのまま呼ぶわけです。
当店の「アプレ」はもちろんツーリング車ですが、お客様の走り方や好み、そしてご予算に合わせて、細かく仕様を決めていくセミオーダーモデルです。先人たちが築き上げたオーダーメードのスタイルに、新しい知識を盛り込んだ現代のツーリング車が「アプレ」です。
←アレックス・サンジェについて、もっと知りたくなった方におススメの書籍
『パリの手作り自転車、アレックス・サンジェ』(飛鳥新社刊)